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直してもらったコピーロック(当サイトでは名前が付けられてます。作中では“少年”表記が多いです)とシャドーさんの旅のお話第2段。
目指せホロリ系、の筈が…何だろう、難しい!←
では読んで差し上げてよ!な方は続きよりどうぞ。
雪が、暖かな陽気の中で咲いていた
「これは、なあに」
繋いでいない反対の幼い手で、緑と、白の地面を指差す。
「これは白詰草、英名でクローバーという多年草の花だ」
検索をすれば簡単に読み取れてしまった情報、だけれどこの子供には蓄積する事は出来ても引き出す術を持っていない。
「しろつめ、くさ。クローバー?」
「そう、大抵は3つの葉だが偶に4つの葉がある。それらは幸福のシンボルとされている」
白い花の絨毯にしゃがみ込んで手身近の草を一つ毟り、細い軸を持って眼前に見せた。
「これは3つだね」
「そう、」
きゅい、とカメラアイのピント調節をして葉の枚数を正確に数えられているのを確認する。
自分と同じく隣にしゃがみ込んで地面をじっと見下ろす顔は真剣だった。
「…4つの葉っぱ…」
ぽつり呟いた声、どうやら興味が沸いた様で4つ葉を探し始める。膝を着いて、手を着いてじっと地面を見て。探しやすい様に繋いだ手を緩めてやると無意識か、するりと手を抜いて地面を食い入って見る。
少し離れた場所から子供を見ると、本当に遊びに来た人の子に見える。それで良い。
何かを守る為でも阻止する為でも、オリジナルと同じくこの子供が奮い立ち力を手に入れて戦う等と、それはあってはならないのだ。
浅はかな押し付けの感情だと、冷静に考えれば分かる事でもそうであって欲しいと願うのは、繰り返したくないから。
エゴだと嘲笑うだろうか。それでもこの子供は、今はただ与えられるものを受け入れるだけだ。
今はそれで、いい。
白い花の上に膝を下ろして仄かに甘い香りに囲まれている光景は儚い雰囲気を纏わせた。
出来れば何処かに二人で静かに過ごせるこぢんまりとした住処を見付けようか、其処で日が昇り沈むのを眺めているだけでも良い、静かな時が流れる場所を。
見上げた空はゆったりと雲が流れてゆく。
空を仰いで考えていたシャドーが、腰辺りから注がれる視線に気付いて顔を向ければ外套を掴む小さな手と、少年が蒼空を写す透明度の高い瞳で見上げていた。
「うん?どうした」
柔らかい癖毛を優しく混ぜれば猫の仕草を真似る様に双眸を細める。
そして小さな手に握られた手を差し出すとその手には
「よつば、」
ちっちゃいのがここに付いてるんだよ。
大きな三つ葉の中に小さくだが葉が一つ付いているのを見付けて摘んだらしい、ほら、と指先でその存在を示されて多少不格好ではあるが確かにそれは四つ葉だ。
よくこれだけ沢山の中からこれだけの時間で探し出したと感心する。目の高さを合わせてしゃがむと飴玉の瞳の中に自分が写り込む。
「はい、シャドーにあげる。シャドーが幸せになりますようにって、お願いしたんだよ」
ほわりと甘く優しく綻びながら
嗚呼。
嗚呼どうしてこの子供はこんなにも。
先程まで容易に判別出来た自分の姿は美しい飴玉の中に確認する事が出来なかった。
2010/11/17 影複製(シャドコピ) Trackback()
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