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SSに近いかもしれない。
隊長はカメラの人っていう固定観念が取れなくなってしまったので、ならばいっそ!と思って。
デジタルよりもフィルム式の方が云々語ってたらなんか可愛いと思うんだ。
では続きよりどうぞ。
両手の人差し指と親指で長方形の枠を作る
被写体をその小さな枠に閉じ込めるとその被写体は此方に気付いて表情を照れ臭そうに綻ばせた
切り取った、澄み渡る空
「写真撮るの?」
向日葵と、麦藁帽子。この二つで夏だと十分印象付けるのにきらきらと光を乱反射させる輝きがある。向日葵に掛かった水の滴だけではなく、そう、大きく青い瞳が煌めいているのだ。
涼やかでいて、澄み渡った色
それがゆるりと細められる。
任務が無い時は常に持ち歩いている愛用のカメラを構え、一瞬を撮ろうとすれば少年は照れてはにかんだ。
人差し指でボタンを押すと、その一瞬を小さな機械がカシャリと音を出して閉じ込める。
「何だか恥ずかしいな」
撮られた少年は麦藁帽子のつばを摘んで少しだけ目深く被り照れくさい表情を誤魔化した。
「中々良い写真が撮れたぞ」
「本当?現像したら見せてくれる?」
「勿論」
次の約束を取り付けると楽しみだな、と呟く少年。
殺伐とした日常の中の非日常と捉えるか、非日常の中の日常と捉えるか、そう考えるのは今は無粋だと直ぐに考えを破棄する。
カラリとした暑さと蒔かれた水のニオイ、きらきら光る太陽光と麦藁帽子、背の高い向日葵と並んだ少年。この少年が地球の光で希望だと、どれだけの人間が気付くのだろうか。
眩しいものを見る様にカメラアイをそっと細めた。
「そうだフラッシュ、冷やしたE缶があるから飲んでいってね」
たらいに貰い物のスイカと一緒に水に漬けたんだ、ちょっと温いかもしれないけど。水に濡れて芝と砂埃で汚れたホースを巻き取り片付ける仕草も何気ない一コマとして閉じ込める。
自分という機体に容赦なく照りつける日光と熱は少し疎ましく思うが、こんな穏やかな気分になれるならば大した代償ではない。
夏に映える色の瞳に吸い込まれたのは何時だったか
こっちの方が涼しいよ、と木立に出来た陰に手招く顔は日差しの中で優しくとろけた。
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