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北海道でも真夏日とか…暑いですね、夏ですもんね、と思えばいきなり冷え込んだりと天気は忙しいなあもう!
ブログのサービスがちょっと変わってすんごい使いづらいです…先生…
そんな訳でクイロクのおデート話。 人工海岸の砂浜を、履いていたサンダルを脱いで小粒の指が並ぶ素足で歩けば一定の間隔で打ち寄せる波に洗われる。
水捌けの良い砂は足裏で炭酸が弾けるように、しゅわしゅわと海水が音を立てて吸われた。
波打ち際を辿っていた足跡は波で歩き始めた順にその跡が消えていく。
外気温と比べて冷たい海水は心地良い。
ぺたぺた、裸足に細かな砂粒を張り付かせ歩く少年の隣を並んで歩く背丈もある美丈夫な彼を、海面を複雑な動きで反射する光が更に精工な顔を際立たせる。
カメラアイのピントさえ調節すれば人の様に瞼を下げ目を細める動作は要らないが、青年はふと双眸を細めて少年を見下ろした。
自分よりも早くこの世界に産み落とされた存在
体躯は小さく、年を重ねても決して成長はしない機体
その小さな存在はあくまでも入れ物にしか過ぎなくて
この少年――ロックと出会い、時間が経過する毎に彼というものの大きさを知った。
本当ならこんな小さな器には収まりきらない程、ロックは深く、大きかった。
はっきりと言って、青年――クイックには、入れ物が邪魔な気がしてならないのだ。その容器の所為でロックがちっぽけで非力で浅はかなもので、もっと、そう、空の様に雄大で海の様に命の源でなければならないのに
それを示す為には機体は枷でしかないのだと畏怖する。右手をぎしりと軋ませか細い首へ伸ばし
掴もうとして、止める。
それはロックがふわり、と優しく目許を緩ませ笑ったからに他ならないからだ。外見からは見合わない慈愛に溢れた表情で、クイックの胸の動力炉がざわざわと騒ぐ。
だがそれは不快感ではなく、果たして正しい言葉かも分からないが人で言う所の“欲”ではないかと結論を出す。
それは、ロックの一番近くにありたいと願ってしまったから。
伸ばされ行き場を無くした手が自然と繋がれた。
砂浜に残る二人分の足跡は波に洗われて徐々に姿を消してしまったが、築いた“二人”の時間は洗い流されない事をどちらとも無く願うのだった。
(そうして二人の想いの欠片は優しく波に浚われる。緩やかに、緩やかに)
2012/08/01 速岩(クイロク) Trackback()
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