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2024/05/04

速岩:きみをあいするほうほう5(文)

最近音楽を聞きつつぼんやりしてしまう事が多いです。音楽癒されるわあ。
別ジャンルで作っていたサイトを絶賛放置中です。
新しいジャンル(例えばこのブログサイトとかのログとか)も収めたいのでサイトをどうにかしなければ。頑張れ私?



そんな訳で続きからどうぞ。






頭部から始まり今までは力強さを顕著にしていた装甲から人に似せたハンドパーツ、アームパーツと作られていく度に動力炉が忙しなくなるようなむず痒い錯覚が駆ける。
鏡で新しいパーツに変化した自分の姿を確認する。
今まで見た事はあれど、いざ自分が変化するとなれば違和感を抱かない訳がない。自分自身だと記憶媒体のデータは一致するのに。


妙な感覚だ。


この姿を見て滑稽だと嘲笑うだろうか?幾つかのパターンを勝手に予測しても、それはあくまで想像であり実際は違うだろう。
闘うのとはまた違う不思議な高揚感に、常に引き締められている口角がほんの僅かに上がった。





ライト博士から頼まれたお使いの帰路、ふと何気なく普段と何ら変わらない道のりで辺りを見渡してみる。彼処にはどんな店があって、建物があって、あの道はどう続いていて、街路樹も、舗装された道路も今歩いている歩道も目立った変化は見られない。
近代化された建物もつい最近建て直されたばかりで壁面も綺麗なものだ。

人も、ロボットも、寿命や耐久性を除けば近場に住んでいて何度か道すがら見掛けた位の人であれば変わらない。


そう、劇的に変貌する事はそうそう無い。
だからだろうか、小さな変化にも気付けるのは。
例えば、手。人のそれと見紛う作りの、だけれど人のとは違い頑丈で力も勿論ある。
次に、彫刻で彫られた美しくしっかりとした頚部から腰までの上半身。
本当に部分部分が変わってきているのだ。
見た目だけの変化ならば注意を払うか、自分が興味を抱いていれば気付くもの。だけれど、戦闘用だと声を大きくして謳われる彼等にはそんな変化は必要ある筈がない。

彼を変えたものは一体何なのだろう。

自分だけで考えても分かる訳がない。ロックは結局は堂々巡りをする疑問は隅に追いやる事にした。

等間隔に植えられている街路樹、
段差の無い舗装された道路、
大きな窓が磨かれて太陽光を反射するビル群、
配置の変わらない商業店舗、
そして、

別に何か信号を発していた訳でもないのに呼び掛けられた訳でも無いのに視線は多弁なのだ。
ほぼ反射に等しい速度で視線を探す。ロックは大きい瞳を見開いて、数回瞬く。

小さな足がしっかりとした足取りで確実に近付くと、互いにあと一歩で接触する距離を保ち立ち止まる。

腰の辺りの高さから顔を上げ、そして。



「ロックは不思議な力を持ってるんだよ」



弟機が言っていた言葉が思考回路の中で蘇った。

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2011/04/22 速岩(クイロク) Trackback()

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自己紹介:
道産子。
ろくまんはA賀版(メガミ&ギガミ)で世界広げちゃう感じ。影複製と速岩だけど岩は総受けだと信じてる。
復活は十代目は右側固定。
 
 
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